FARCRY

『FARCRY4』の背景がよくわかる”モハン・ゲールの手紙”をコンプリートしてみた(ネタバレ注意)

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『FARCRY4(ファークライ4)』は、純真無垢な主人公が突如狂気の世界に放り込まれ、ドンパチを繰り広げるFPS『FARCRY』のシリーズ4作目だ。本作ではアメリカで育った主人公が母親の遺言に従って故郷キラットに遺骨を撒きに来たところ、否応なく内乱に巻き込まれ、ゲリラ組織に属しながら王立軍と戦うというストーリーが展開される。主人公には故郷や両親、それを取り巻く人々に関する知識がほとんどないため、ゲームプレイを通して自分のルーツを探っていくことになる。キャンペーンシナリオをクリアすることで、大まかなあらすじは十分に理解できるが、ゲーム内の随所に隠された「モハン・ゲールの手紙」(父親が残した日記)を拾い集めることで、世界観を理解する助けになるだろう。”自分でコンプリートするのは面倒だけど、ストーリーは詳しく知りたい”という諸兄は、是非ご覧頂きたい。

尚、手紙の内容は完全なネタバレを含んでいる。まだゲームをやっていない方や自分で真相を突き止めたい方は、閲覧に注意してほしい。では、早速どうぞ・・・

1981年、バイサークの月

イシュワリと今日、結婚した。儀式は小さいもので、彼女と私の両親のみを招いた。村の年長者たちはいまだにタルン・マタラと結婚することは不吉だと信じているが、私はそうは思わない。彼女は魅力的で、知的な女性だ。私たちの結婚は、彼女がキラの器として選ばれ、寺院が彼女へ貢納金を支払うより何年も前、私たちがまだ子供だった頃に取り決められたものだった。貢納金は家を建てる事ができるくらい、もしかしたら炊飯器を買うこともできるくらいの額だ。それと、私の近衛兵への異動も認められた。新しい制服を用意しないと。

1985年、マンシールの月

彼らを守ることができなかった。私の唯一の任務は王家の一族を守ることだったのに、失敗した。国家主義者らが夜中、宮廷に襲撃してきた。奴らは爆弾で正面の扉を破り、手榴弾で行く手を一掃した。私は持ち場の大広間にいて、爆発で足元をさらわれた。奴らは私のすぐそばを通り抜け、王族の寝室へと向かった。銃声が5回聞こえ、そのたびに私の心は沈んだ。王は死に、キラットは間違いなく混乱へと落ちるだろう。

1985年、アソージの月

今日、また国家主義者らに対する荒々しい闘争があった。奴らの軍は外国人犯罪者たちに支えられ、アメリカ製の武器で武装している。モンスーンの雨がティルタの道の血を洗い流すには、もう少し時間がかかるだろう。私は陽が沈んでから自宅に帰り、イシュワリの隣のベッドに潜り込んだ。彼女がいなければ、我々は負けていた--彼女は人々の心にまっすぐ語りかける。結婚してからの最初の4年間を思い出した。私たちは豊かではなかったが、幸せだった。平穏があった。多くの事が変わってしまった。

1987年、バイサークの月

今日はパガン・ミンという男に会った。香港出身で、殺された王の遠い親戚だそうだ。それと、彼は傭兵軍を従えていた。彼は年齢の割に上品な話しぶりで、自信に溢れていた。私は未だいろいろと処理しているところだ。本当にしてはあまりにも出来すぎている。まるでキラが私たちのために救世主を送り込んできたかのようだ。この内乱の流れを変え、キラットの君主政治を取り戻すことができる救世主を。王党派とパガン・ミンの傭兵軍による連合軍の間で、国家主義者は好機を掴むことはできないだろう。

1987年、シュラワンの月

私たちの未来は不安だらけだ。時々、子供さえいなければ、などと考えている自分に気づく。そんなことを考えると、すぐに罪悪感に襲われる。これは良い事なのだと、自分自身に言い聞かせなくてはならない。私はイシュワリと彼女がこれから産む子供を愛している。すぐに家族になれることを、とても嬉しく思う。私たちの子供が産まれてくるキラットが、安全で豊かな国であることを祈っている。

1987年、カーティクの月

あまりにも出来過ぎた話だと思っていた。パガン・ミンに裏切られた。奴の兵らとともに何ヶ月も戦ってきた。そして私たちが宮廷を奪取したその時、奴は王位継承者を殺害し、自身が王に就任した。まるで血の海だった。パガンの部下は我々に敵意を示し、多くの者は自分に危険が迫っていることすら気づかぬまま、命を落とした。私は命からがら逃げ延び、今は一握りの生存者たちとともに身を隠している。キラットは今や不誠実な犬の手に落ちてしまった。私が死ぬ前に、あの犬畜生の息の根を止めてやる。

1987年、マンシールの月

パガンの影響力は日ごとに強まっている。「王立軍」へは入隊者が殺到し、その一方で奴の親衛隊--奴が香港から連れてきた悪党ども--が、この国をズタズタに引き裂いている。我々は昨晩、新たに3つの基地を失った。敵はよく訓練され、武器も強力だ。我々は組織力に欠ける。イシュワリは、俺にリーダーになれと言う。残された王党派のメンバーを率いて、ミン政権と戦えと。彼女の夢に出てくる我々は、黄金の道を歩んでいるらしい。彼女を守ってやれるか心配だ。もし男の子だったら、赤ん坊の名前はエイジェイにすると決めた。

1987年、プースの月

厳しい数ヶ月だったが、王党派運動の生き残りのメンバー数名との合流に成功した。我々は山中にキャンプを張った。多くの生存者の命を救ったのは、パガンに仕える一部の傭兵たちだった。彼らは主人の命令に背き、我々を襲うのではなく、共に戦う道を選んだのだ。彼らが一緒なら、我々は新たな抵抗組織--ゴールデン・パスを結成できる。その名称を伝えると、イシュワリは笑みをこぼした。数ヶ月ぶりに見る、彼女の笑顔だった。

1987年、マーグの月

我々が勝利した暁には:王位継承者がいない間は、摂政を置いた上で、タルン・マタラを国家元首の地位に就かせる。すべての産業、銀行、交通機関は国営化され、キラット軍はタルン・マタラの指揮の下、再編される。中国やインド、西側諸国とも新たな貿易協定を締結し、国連加盟も申請する。累進所得税を導入し、未成年就労を廃止し、誰もが無料で教育を受けられるようにする。

1987年、ファーグンの月

イシュワリとまた口論になった。前はこんなじゃなかったのに、最近の彼女は異様に怒りっぽい。またしてもゴールデン・パスに女性を加えるよう言われ、俺は毎度のごとく突っぱねた。戦場に女は必要ない。料理や、病人の手当てや、運転手をやらせておけばいい。あるいは弾薬の運搬でも。イシュワリは、3ヶ月もあれば、女たちを立派な兵士に訓練できると言って譲らない。兵士が足りないのは事実だが、今はまだ奇策を打つ時期ではない。

1988年、バイサークの月

今日息子が生まれた。名前はエイジェイ・ゲール。体重2381グラム、身長43センチ。目がイシュワリにそっくりだ。まだ泣くか、眠るか、おっぱいを吸うことしかできない。俺の中に新たな覚悟が芽生えた。キラットを解放してみせる。絶対に。パガン・ミンをぶっ殺すまで、俺は立ち止まらない。息子にはのびのびと育ってほしい。恐怖とは無縁の世界で。

1988年、ジェスタの月

エイジェイ、俺の可愛い息子。お前をこの腕に抱ける毎日が贈り物だ。お前は俺の光。俺の活力だ。毎日キラに、お前の健康と安全を祈っている。お前が物心つく頃には今の困難な状況が解決して、自由に野山を駆け回れるようになっていることを願う。そしてお前が立派な男に成長するよう祈っている。義務と、名誉と、思いやりの意味を知っている男に。

1988年、バドラの月

戦争の見通しは芳しくない。パガンは、自身を裏切った元傭兵たちの追跡を、ユマという名の若い腹心に託した。彼女は信じがたいほど効率的に職務を遂行しており、我々の戦力は削られていく一方だ。武力でも圧倒され、力の差を見せ付けられている。果たして、あとどれくらい耐えられるのか。キラよ、我らを救いたまえ。巻き返しを図らねば。勝負をかける時かもしれない。俺の身に何かあったときには、バナシュールよ、イシュワリとエイジェイを守りたまえ。

1988年、アシュウィンの月

CIAの連絡役が、約束どおり武器を届けてくれた。他人からの贈り物は疑ってかかるのが常だが、今回は特例だった。その判断は正しかったようだ。これだけの火力があれば、パガンの兵とも互角に戦える。すでに新兵器の訓練にも着手した。アメリカ人は「顧問将校」の派遣を申し出てきたが、それは断った。キラットを守るための戦いには、アメリカ人ではなく、キラット人の手で勝利せねばならない。

1988年、カーティクの月

パガン・ミンとやつらのアバスレは地獄に落ちるべきだ!王立軍がキラットの民家や寺院からキラットの遺物を強奪し始めた。やつは強奪したものを全てジャレンドゥ島に保管している。何の目的で遺物を集めているか知らないが、カリナグ・タンカだけは手をつけさせない。心が痛む決断だったが、俺はダルパンに頼んでタンカを複数に分けてキラット中に隠してもらった。カリナグの伝説をユマなどに渡してたまるか。

1988年、マーグの月

俺は負ける。戦争にも、結婚にも。イシュワリとは絶え間なく言い争っている。どんなにくだらないことでも。戦場に出たあと、家に帰るのが耐えられない。彼女の終わりなき罵倒に比べたら、銃弾の嵐のほうがマシだ。彼女は不満なんだ。俺が戦いに同行させない--妻いわく、貢献させないから。だったら王宮へ送り込んでやろう。虎の巣穴へ。ミンがキラットへしたことをその目で見れば、俺を軽々しく批判することなどできないはずだ。

1988年、チャイトラの月

イシュワリ、もしまだ私を愛してくれているなら、これを実行して私の命令に疑問を持たないだろう。他に方法がないのだ。パガンはお前を信頼している。おそらくそれ以上に深いものがあるのだろう。それを利用しろ。奴の組織に入って中からひっくり返してやるんだ。タイムテーブルや配送ルート、海外とのつながりなど、何か関連情報があれば返事をくれ。一気に全方向から畳み掛けてやらなければ。エイジェイも一緒に連れて行け。お前の経歴の支えになるだろう。勝利を獲得した後で戻って来い。

1989年、マンシールの月

どうやらパガン・ミンはゴールデン・パスの幹部数名と密かに会い、我々の降伏条件を協議していたらしい。俺が長年、共に戦ってきた仲間たちと。我々が武器を置けば命は保証するとパガンは約束したそうだが、奴は嘘をついている。パガンと会った者は全員裏切り者だ。処分は避けられない。つらい決断だった。歴史は俺を許さないだろうが、今朝、この裏切り者たちを処刑した。キラよ、お許しを。

1990年、アシュウィンの月

あのアバスレめ。これは許されないことだ。お前は俺を裏切った。ゴールデン・パスそのものを。俺はこの3年間、ミンの恐怖政治を終わらせようと死力を尽くしてきたのに、お前は股をおっ広げてただけだったのか?お前の任務は単純明快。情報の収集だ。敵と寝ることじゃない。奴らの指揮官と一発やって、偽政者の娘を産むことじゃあな。娘は何て名だ?まあ、どうでもいい。この身勝手なメスブタめ。今からそっちへ行く。お前の過ちを正してやる。

1990年、プースの月

分かってくれ、エイジェイ。すべてはお前のためにやったこと。俺はただ、お前を安全で、豊かな国で成長させてやりたかっただけ。だが、その目標には犠牲が伴った。お前が初めてハイハイしたり、喋ったりするのを見届けてやれないのは残念だが、指揮官の責務はとてつもなく重い。感傷や休息はほとんど許されない。将来、お前を鍛えるつもりだと話したとき、母さんはひどく取り乱したが、この戦争が、俺の寿命よりも長く続いた場合には、お前が後を継がねばならない。キラットの未来はお前が握っているのだ。