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10分で読める PCゲーム『Metro2033』のストーリーラインまとめ(ネタバレ注意)

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『metro2033』とは、ウクライナのゲームディベロッパーが制作したサバイバルホラーFPSだ。核戦争によって地上を失い、地下鉄に居を移した人類が、放射能の影響で誕生したミュータントの脅威に立ち向かうというポストアポカリプス系のゲームに仕上がっている。2013年8月に続編となる『Metro Last Light』が発売された。前作をプレイしていない人にも大まかなストーリーがわかるようなカットシーンが盛り込まれているのが、「やっぱり前作のストーリーをちゃんと知りたい」という方向けに、ゲームのストーリーラインを整理してみた。

尚、エンディングに至るまでちゃんとまとめているので、自分でプレイしたい人は注意して頂きたい。ちなみにゲームの原作となった小説『metro2033』のストーリーはこちらにまとめている。ほぼゲームと同じような流れをたどるものの、原作ならではの要素もあるので、ネタバレOKの方は是非ご覧いただきたい。

プロローグ

核による終末戦争により、地上を放射能と瓦礫の荒野にしてしまった人類は、住み慣れた地上を捨ててメトロに居住空間を移した。人類にとって、地上を失くしたことすら教訓にはならなかったらしく、物資の奪い合いやイデオロギーの違いから、地下(メトロ)でも争いを続けていた。その終末戦争から20年。地上は相変わらず核の影響が続いていたが、放射能によって誕生したミュータントが跋扈するようになり、更に危険な場所へと変わっていた。人類は銃を持った隣人と対峙するだけでなく、地上から侵入してくるミュータントからの脅威にも晒されていた。

ハンターとの約束と旅立ち

主人公アルチョムが住んでいる、メトロ環状線の外周に位置するエキシビジョンという小さな駅は、ダークワンと呼ばれる新種のミュータントによる侵攻を受けていた。ダークワンは他のミュータントとは異なり、テレパスのような力で人間の精神を侵食して崩壊させることができたことから、屈強な国境警備員が次々と倒れていった。その脅威を聞きつけたハンターがエキシビジョン駅へと単身やってくるが、結局敵の侵攻を止めることはできず、彼自身も行方不明となってしまう。アルチョムはメトロ全体の脅威であるダークワンの侵攻を止めるべく、ハンターとの約束(自分が戻らないときはポリス駅のミラーにダークワンの脅威を伝える)を果たすため住み慣れた駅を旅立つことを決心する。(Chapter1 「旅の始まり」)
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アノマリーとミュータントの洗礼を受けて

ポリス駅を目指すため、エキシビジョン駅からリガ駅まで物資を輸送するキャラバンの護衛をかってでたアルチョムは、短期の仕事という名目で住み慣れた駅を離れた。リガ駅とエキシビジョン駅を結ぶトンネルは整備されており、定期的なキャラバンの往来もあったことから、なんの危険もない旅路と思われていたが、その思惑は国境付近で一変する。

リガ駅との中間にあるアレクセーエフスカヤ駅付近で軍のキャラバンが足止めされていることから、トンネル内への通行が一時的に規制されていたのだ。一行は、やむなく保安用トンネルを使ってアレクセーエフスカヤ駅を迂回することにしたが、その道中、アノマリーやダークワンによる影響を受けて、キャラバンの一行は一時的に意識を失ってしまう。運悪く同じタイミングでノサリスによる襲撃を受けるも、いち早く昏睡から目覚めたアルチョムの活躍で、辛くもリガ駅の防衛ラインまでたどり着くことに成功する。
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詐欺師ブルボンとの出会い

リガ駅到着後、キャラバンを無事に目的地まで誘導したアルチョムの評判を聞きつけたブルボンという人物から声をかけられる。彼はドライ駅まで同行してくれる旅の相棒を探していた。彼は自身の自動小銃(AK47)を報酬として、アルチョムに旅の同行を求めてきた。終着駅についたキャラバンに替わる旅の手段を探していたアルチョムは、この怪しい人物と一時旅路を共にすることを決意し、静かに駅を旅立った。(Chapter2 「ブルボン」)

隣接するマーケット駅への移動手段としては、ハンザを経由するルートが最も安全であったが、運悪く野盗騒ぎによりトンネルが封鎖されていた。そのため二人はミュータントや野盗が跋扈する、危険度の高いルートを進むことを選択する。案の定、心霊現象に見舞われたり、ノサリスの群れに追い立てられながらも、やっとの思いでマーケット駅に辿り着くことに成功した。
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ブルボンとの別れ、カーンとの出会い

マーケット駅はハンザの商業連合に加盟していることから、隣接する同勢力の駅に対する移動は容易にできると思われた。だが、ハンザの見張り連中に借金があるブルボンは例外で、返済の見込みが立たなかった彼は見張り連中との接触を避けていた。二人はやむなく、地上を経由してドライ駅へと向かうことにする。構内でフィルター等の装備を整えた二人は、エアロックを監視する警備員を丸め込んで地上へと飛び出した。

朽ち果てたストーカーの死体から物資を回収しつつ、ミュータントの跋扈する地上を進んだ二人は、ハウラーとデーモンによる襲撃を受けながらも、必死の思いでドライ駅へと通じる地下通路へと逃げ込むことに成功する。目的地に無事たどり着いたものの、安息は束の間、ドライ駅は野盗に占拠されていた。ブルボンの仲間と落ち合うことができなかったばかりか、逆に彼は囚われの身となってしまう。アルチョムは旅の友を助けるべく、野盗を退けながらブルボンのもとに駆けつけるも、彼は銃撃戦の末に命を落としてしまう。

野盗の残党が迫りくる中、ブルボンの死で呆然となっているアルチョムを救ったのは、カーンという男だった。唐突に表れた彼は、アルチョムを諭し導くようにドライ駅から脱出させてくれた。(Chapter3 「カーン」)
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呪われた駅の救出作戦

アルチョムはカーンに導かれるまま、アノマリーや亡霊の跋扈する怪しげな地下トンネルを通ってカース駅を目指した。カースは”呪い”という意味の駅名通り、ミュータントの襲撃によって絶望的な状況にあった。住民はほとんどが避難しており、踏みとどまった少数の勇敢な兵士達による最後の戦いが繰り広げられていた。

ミュータントが湧き出してくるトンネルとエアロックを封鎖するため、爆破の任務をかってでたアルチョムは、怒涛の勢いで押し寄せるノサリスをいなしながら、やっとの思いで封鎖に成功する。その後、カースを支援するために駅に留まろうとするカーンと別れ、アルチョムは一人ポリスを目指すことになった。彼はカーンの置き土産である「アーモリー駅にいる鍛冶屋のアンドリューを頼るといい」というアドバイスに従って、アーモリーを目指した。
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戦場の真っただ中を抜けて

目的地のアーモリー駅は独立駅であったが、共産主義者の駅と隣接していたことから、彼らによる監視の目がそこらじゅうにあり、情勢が不安定だった。運悪く共産主義者に目を付けられたアルチョムは銃弾の雨の中を逃げる羽目になるが、間一髪のところで鍛冶屋のアンドリューに救われる。彼はアルチョムを匿うだけでなく、駅から逃げ出す算段も整えてくれた。ただ、ポリスへ通じる唯一の道は、共産主義者とファシストの戦場を通っていたことから、アルチョムにとってこの先の道のりは更に険しいものとなった。兵士を戦場に送り込むための輸送列車に忍び込んだアルチョムは、片道切符を覚悟で前線地帯であるルビャンカに向かった。(Chapter4 「戦乱」)
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努力も空しく、ファシストの捕虜になる

共産主義者とファシスト、両陣営の兵士が蠢く前線地帯を静かに突破したアルチョムだったが、ファシストの拠点にたどり着いたところで彼らに捕まってしまう。共産主義側の兵士と誤解されたアルチョムは激しい尋問を受けるも、あわや処刑というタイミングで運よくオーダーのレンジャー二人に救出される。更に、ハンターの認識票を持つアルチョムを重要なメッセンジャーと認識したレンジャー達は、ポリスまでの同行を買って出てくれた。

レンジャーの一人ウルマンとブラック駅で落ち合う約束をして二手に分かれたアルチョムは、もう一人のレンジャー・パヴェルと共に、ファシストが占拠するエリアを突破することになった。二人はレールカーを疾駆させてファシストの支配領域を脱出することに成功するも、車両基地におけるノサリスの襲撃により、パヴェルは命を落としてしまう。尚も激しさの衰えないミュータントの襲撃に、レールカーを大破させながらも逃げ延びたアルチョムは、命からがらホール駅に辿り着いた。
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勇敢な子供と共に・・・

辿り着いたホール駅では、迫りくるミュータントとの最終防衛戦が目前に迫っており、「地下の子供たち」と呼ばれる警備隊がエアロック付近に集結していた。駅に残る住民の避難が完了するまでの間、彼らはわずかな戦力で国境を死守すべく踏みとどまっており、義憤に駆られたアルチョムも共に戦うことを決意する。しかし抵抗も空しく防衛ラインは壊滅し、多数のミュータントを突破させてしまう。瀕死の隊長からホール駅の状況をポリスに伝えてほしいという遺言を受け取ったアルチョムは、ミュータントのうろつく構内を静かに突破した。

途中、唯一の生存者である子供のサシェンカを保護し、彼を母親が待つキャラバンへと送り届けた。恩義に感じたキャラバンの歩哨から、ブラック駅へのルートを聞きだしたアルチョムは、装備を整えて地上を目指した。ファシストが前哨基地としている倒壊したビルを抜けて、無事にブラック駅へと到達したアルチョムは、ここでもファシストを出し抜いてレンジャーのウルマンとの合流に成功した。二人はそのままレールカーで隣接するポリスへと向かった。(Chapter5 「希望」)
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期待は裏切られるもの

ポリスに到着後、ハンターからのメッセージをミラーに届けると上層部による議会が招集された。議場に呼び出されたアルチョムは、彼らに求められるままエキシビジョン駅の状況やポリスに至るまでの道程を事細かに報告した。しかし、数時間にわたる審議の結果出された結論は「エキシビジョン駅は救援しない。情報提供に感謝する」という内容だった。

落胆するアルチョムに対して、ダークワンを人類共通の脅威と考えるミラーから共同戦線の話を持ちかけられる。彼は大戦前の軍が保有していたミサイルのありかを知っており、それを使えばダークワンを殲滅できるとふんでいた。だが、ミサイルの発射に必要な司令部(通称D6)の所在が掴めていなかったことから、D6調査の同行を求められた。ミラーは一人の部下とアルチョムを伴い、D6の情報が眠る地上の軍事文書保管を目指した。

行軍中、デーモンの襲撃によってレンジャーの部下が負傷したことから、やむなく調査をアルチョムに託し、自らはポリスに戻ることになった。アルチョムはライブラリアンが跋扈するエリアを一人で探索を進め、ようやくD6に関する情報を手に入れることに成功する。最終決戦への切り札を手に入れたアルチョムは、オーダーの前哨基地スパルタでミラーを始めとするレンジャー達に合流した。
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D6

スパルタを発したアルチョムを含むレンジャー部隊は、D6に近いキエフスカヤ駅を目指した(Chapter6 「D6」)。度重なるミュータントの襲撃で、ボリスやステファンといった仲間を次々と失いながらも、彼らは遂に目的地へと到達した。D6では停止していた原子炉を再稼働させるため、核物質の影響により変異したアメーバ状のミュータントが巣食う施設を制圧/占拠した。

ミサイルの発射準備を整えた一行は、誘導装置を設置するために一路地上を目指した。ダークワンの巣が見渡せる建物から、レーザー照射によってミサイルを誘導する必要があった。彼らは、地上の建造物で最も高いオスタンキノ・テレビ塔に誘導装置を設置するため、地上に集結した。しかしレンジャーの動きを察知したダークワンにより嗾けられたミュータントの群れが隊を急襲する。ハウラーとデーモンによって襲撃された部隊は壊滅状態に陥るが、包囲網を突破したアルチョムとミラーはなんとかテレビ塔にたどり着くことに成功する。

塔を駆け上がる最中、デーモンの攻撃によって負傷したミラーは、装置の設置をアルチョムに託した。その後、ダークワンの巣を見下ろせる位置で装置の設置を終えたアルチョムは、突如ダークワンの精神世界に引き込まれてしまう。
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エンディング分岐 - バッドエンディング(カルマが規定値未満)

ダークワンによる精神世界を抜け出したアルチョムは、ハンターの啓示に従って、目の前の敵を焼き払うことを決意する。誘導装置のレーザー光線を、眼下に広がるダークワンの巣の中心に据えたアルチョムは、ミサイル発射のカウントダウンを待っていた。その後、ミサイル施設から発射された数発の弾道ミサイルがダークワンの巣に引き寄せられるように吸い込まれていく。

明々と燃え広がる眼下を眺めながら、アルチョムは達成感による高揚の中にいたが、同時に自分が取り返しのつかないことをしてしまったのではないかという一抹の不安も感じていた。だが、これまでの長い道のりやミュータントの襲撃に倒れた仲間を思い出すことで、不安な気持ちは胸の奥に封印した。アルチョムの脳裏には、「どんな代償を払ってでも、障害は取り除かねばならない」というハンターの言葉がこだましていた。
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エンディング分岐 - グッドエンディング(カルマが規定値以上)

ダークワンによる精神世界を抜け出したアルチョムの耳には、カーンの言葉が響いていた。「負の連鎖を断ち切るためには、盲目的に敵を排除するだけではいけない」。彼の言葉を反芻すると共に、今までの旅路で目にしてきた精神世界の映像から、アルチョムはダークワンのメッセージを回顧していた。ミサイル発射のカウントダウンが迫る中、彼らのメッセージに”救い”と”情愛”の念を感じ取ったアルチョムは、とっさに誘導装置に向けて引き金を引いた。

それまでダークワンの巣の中心をめがけて一直線にレーザーを照射していた誘導装置は、地上にむけて落下していった。誘導信号を失ったミサイルは発射を免れ、結果的にアルチョムはダークワンを壊滅の危機から救った。ミラーをはじめとする生き残ったレンジャーにとっては、信じられない結末だったが、大切なものを失わずに済んだという安心感でアルチョムの心は満たされていた。
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